問い合わせ先
グリーンフェイス・ジャパン コーディネーター: 佐田喜朗, yoshiro@greenfaith.org
グリーンフェイス常務理事: フレッチャー・ハーパー, +1-201-390-0094, fletcher@greenfaith.org
気候変動目標の達成求め要請書を提出
グリーンフェイス・ジャパンは、与野党の国会議員4人に対して、12月2日付でパリ協定に基づく気候変動目標の達成を日本政府に求める要請書を送りました。
この要請は、日本政府が2025年2月の国連提出期限を前に、気候変動に関する取り組み目標を最終決定するにあたり行われたものです。翌3日付けでも国会議員8人に要請書を送っており、今後も追加していくつもりです。
66%削減目標の必要性強調
11月25日に開かれた経済産業省(METI)と環境省(MOE)の合同会議で、2035年までに温室効果ガス排出量を2013年比で60%削減することを提案するNDC(国が決定する貢献)草案が発表されました。グリーンフェイス・ジャパンは、この一歩を評価する一方、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の指針に沿って地球温暖化を1.5℃に抑えるためには、少なくとも66%の削減というより野心的な目標が必要であると強調しています。
「科学は明確です。66%の削減を約束することによってのみ、日本は気候変動による最も壊滅的な影響を回避することができます」「これは、科学的および道徳的な要請であるだけでなく、次世代の経済的安定性を確保しながら、グリーンイノベーションで世界をリードする絶好の機会でもあります。」と、グリーンフェイス・ジャパン コーディネーターの佐田喜朗は述べます。
エネルギー戦略に対する懸念
グリーンフェイス・ジャパンは、政府がエネルギー転換戦略の一環として石炭とアンモニアの混焼に依存していることについて、重大な懸念を表明しています。グリーンフェイス・ジャパンは、このアプローチに対し、「規模が実証されておらず、パリ協定と両立しない」と批判し、このような措置は再生可能エネルギーやエネルギー効率化といった真に持続可能なソリューションから資源を奪うものであると主張しています。「再生可能エネルギーへの移行を加速させることで、私たちは国民に対する義務を果たし、世界的なリーダーシップを発揮することができる」と主張します。
排出量算定における透明性の確保を求める
グリーンフェイス・ジャパンは、排出削減量の算出にグロス・ネット方式が用いられていることについても、NDC草案を批判しています。この方式は、温室効果ガスの排出量を算定する際に、基準年には排出量のみをカウントし、目標年には排出量から森林などによる二酸化炭素の吸収分を差し引く計算方法で、先進国ではほとんど用いられていません。この方式は、パリ協定の目標を損なうものとして、独立した専門家から批判されています。
道徳的・精神的な行動への呼びかけ
グリーンフェイス・ジャパンは、要請書の中で、神道や仏教、その他の精神的な伝統が説く、すべての生命の相互関連性と自然との調和を重視する教えを引用しました。
米国を拠点とするグリーンフェイス常務理事のフレッチャー・ハーパーは、「今こそ知恵と勇気が求められる時です。この地球の管理者として、私たちは気候危機に対処するために断固として野心的に行動する重大な責任があります」と述べています。グリーンフェイス・ジャパンは、政府に対して66%の排出削減目標を設定し、エネルギー基本計画を再生可能エネルギーへの移行を加速させるものに修正するよう求めています。また、この取り組みにおいて政府を支援していくという決意を改めて表明し、全国の信仰コミュニティを結びつける道徳的・精神的信念を強調しました。