未来を守るために、声をあげる若者たち
2025年9月17日(水)、名古屋地方裁判所で行われた「若者気候訴訟」第4回口頭弁論期日に、GreenFaith Japanとして参加しました。
当日は傍聴席を求めて130人以上が集まり、教育現場や暮らしの中から気候危機を訴える若者たちの言葉に、多くの注目が集まりました。午後には報告会も開催され、海外からのゲストも登壇。国際的な連帯の広がりとともに、あらためて訴訟の意義を実感する一日となりました。
“子どもたちの未来に迫る気候危機”
意見陳述では、愛知県の小学校教である原告の安部芙祐美さんが登壇。熱中症指数の影響で運動場が使えない日が増えていることや、登下校中の暑さによる危険性など、教育現場そのものが気候変動の影響を受けている現実を語りました。
また、2030年までに石炭火力の廃止を掲げる先進国が増えるなかで、日本がその目標を持っていない現状に言及し、「目先の便利さではなく、未来の責任を果たすべき」と力強く訴えました。
“暮らしの中で感じる気候危機”
続いて登壇した長崎の大学生である原告の今岡明日美さんは、九州で頻発する豪雨災害や、地域猫の紫外線アレルギーの増加といった身近な経験から、気候変動を実感していることを語りました。
そして、「この問題は政府や企業だけでなく、私たち一人ひとりに関わること」と述べ、裁判所に公正な判断を求めました。今回の訴訟では、電力事業者10社に対して、現存する石炭火力発電所の削減を求めています。
“対話と共感が生まれた報告の場”
午後4時からは、近隣ホテルで報告会が開催され、傍聴できなかった方を含む約150名が参加。安部さん・今岡さん両名と弁護団より、裁判の状況や背景についての丁寧な説明が行われ、参加者からも多くの質問や感想が寄せられました。一人ひとりの暮らしや立場から気候問題を考える場となり、関心の広がりを実感する時間となりました。
“世界から届く励ましの声”
この日は特別ゲストとして、ハワイ州における気候訴訟で勝訴判決を下したマイケル・ウィルソン元ハワイ州最高裁判事、そして国連大学教授などを歴任したべセリン・ポポヴスキー氏が来場。裁判を傍聴し、報告会でも登壇されました。特にウィルソン元判事は「世界の若者が起こしている気候訴訟は、自然災害の急増から見ても当然勝つべき正当な訴えであり、すでにハワイ・韓国・インドなどでも勝訴している」と語りました。
また、「日本には世界でも最も古く美しい自然と文化を守る伝統がある。この訴訟もきっと良い方向に導かれるだろう」と、力強い励ましのメッセージを送りました。
私たちGreenFaith Japanは、この訴訟が日本の脱炭素化に向けた重要な一歩であると考えています。
未来世代の声に耳を傾け、気候変動によって脅かされる日常と命を守るために、これからも参加・応援・発信を続けてまいります。