第六回 グリーンフェイスジャパン・フェローシッププログラム

August 12, 2025

第6回フェローシッププログラム開催!

今回の講師は当グリーンフェイスジャパンのシニアアドバイザーである佐田喜朗でした。タイトルは「世界の主たる宗教の自然観、自然と人間との関係」。発表の主な内容は、世界の5大宗教とされるユダヤ教、キリスト教、イスラーム、仏教、ヒンドゥー教について、それぞれの宗教が環境運動の前提として自然界をどのように捉えているのか、またその自然に対して人間はどのようにあるべきかをどのように解釈しているのかについて講演しました。

“国際会議を通じた宗教と環境のつながり”

発表の背景には、WWFが主催した1986年のアッシジ会議や、UNDP・ARCと共催された1995年・2009年のウィンザー会議があります。これらの会議では、各宗教が自然観や環境問題にどのように向き合ってきたかが共有され、信仰を軸とした環境行動が国際的に広がっていく土台となりました。

“宗教ごとの自然観と人間の役割”

<ユダヤ教・キリスト教・イスラーム>
自然界は唯一神によって創造されたものであり、その頂点に立つ人間は、世界の管理を任されていると考えられている。

<仏教>
明確な創造主は存在せず、すべては縁起の理によって生まれ滅していくとされる。人間の役割は自然を管理するのではなく、共生と調和を重んじる教えが根幹にある。

<ヒンドゥー教>
自然のあらゆるものに神が宿っているとされ、人間もその一部として、調和の中で生きることが重視される。

<神道>
自然の中に神々の働きを感じ取り、人間は自然の一員であるという謙虚な姿勢を持つことが根幹とされる。人間の役割は「タテマツル(奉献する)」ことであり、「マツラフ(服従し奉仕する)」ことである。

こうした6つの宗教を比較したうえで、発表では、宗教に根差した環境運動を進めるためには、神道・仏教・ヒンドゥー教など東洋発祥の宗教に見られる、自然に対して謙虚に向き合う姿勢が大切であると強調しました。
一方で、積極的に環境運動を推進するには、一神教的な「人間の責任感を高める思想」も重要であるとしています。それぞれの宗教が持つ世界観から、自然と人間の関係における違いと共通点を学ぶ機会となりました。

“環境運動に活かす宗教的視点”

今回の発表では、宗教に根ざした環境運動の出発点として、以下の両方が大切であることを伝えました。

・東洋的な「自然と共にある」謙虚な姿勢
・一神教的な「人間の責任感に基づく行動」

あわせて、各宗教が取り組んでいる具体的な環境活動の事例も紹介し、思想と実践がどのように結びついているかにも触れました。信仰と自然のつながりを見つめ直すことは、持続可能な社会を考えるうえで欠かせない視点です。
宗教が持つ価値観や教えには、自然を敬い守ろうとする知恵が数多く含まれています。それらを改めて理解し、日々の行動や社会づくりに生かしていくことが、未来の環境を守る第一歩となります。私たちGreenFaith Japanは、これからも宗教の知恵を活かしながら、自然と共に生きる社会を目指して行動を続けていきます。

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